2024年12月1日に大阪歯科大学楠葉キャンパスで行われた、大阪歯科大学CST委員会公認 第三回「歯科医師のためのカダバー・サージカル・トレーニング~大規模災害のライフライン未復旧での状況を想定した身元確認訓練~」に参加しました。
大阪歯科大学 解剖学講座 主任教授 大阪歯科大学 CST委員会 委員長 上村 守先生、歯科法医学室 大草 亘孝先生、歯科放射線学講座 秋山 広徳先生、実際に被災地でご遺体の身元確認にご尽力されている先生方にお力添えをいただき、歯科医師、歯科衛生士、歯学部学生の皆さまと一緒に学びを得ることができました。
今回は、実際に起こると言われる南海トラフ巨大地震に備えて訓練を積んでおくこと、現場では
・実際のご遺体を目の当たりにした時の緊張や動悸がしてしまうことがある
・身元確認作業では常に冷静に物事を判断することが必要である
・現状は歯科医師が対応しているが正確かつ迅速に作業を進めるために、今後は歯科衛生士の力も必要となる
これらのことを踏まえて、実習に望みました。
ライフライン未復旧での状況という設定で行われた実習は、暗室下で用意されている限られた器具機材を使い、治療痕を含む各歯牙の所見を一つでも多く集めることでしたが、日ごろ生体にしか触れることの無い私たちにとって、ご遺体からそれらの情報を集めることは想像以上に難しいことでした。
肉眼では判断不可能な歯牙情報を得るためにレントゲン撮影を行うのですが、フィルム設定や照射角度に至るまで臨床とは全く異なるため、撮影したフィルムを現像してみると、あるはずの歯が映っていないということが何度もあり、設定や角度を再調整して正しい情報が得られるまで何度も撮りました。
実習最後のデンタルチャートを仕上げる工程まで、何とかたどり着くことができましたが、同じ班の仲間無くしては出来ないことでした。各人がこれまでに培ってきた、知識や経験、得意や強みを活かし連携して取り組むことが、正確で迅速なご遺体の身元確認に繋がることを学びました。
生前の篤志によって自らが解剖に提供することを申し出られた方々(ご献体者)と、そのことを同意されたご家族に深く感謝いたします。そして共に実習をして下さった歯科医師、歯科衛生士、歯学部の学生の皆さま、講師の先生方にも心より感謝申し上げます。またこの場所で再会し研鑽を積めるよう精進いたします。
歯科衛生士 松本